鏡筒外からレーザー光線を使ったニュートン反射望遠鏡の光軸調整
および センタリングアイピースを使った光軸合わせ
接眼筒に対して、レーザーコリメーターの位置の調整が必ずしも正確ではないこと、短い接眼筒に対して位置合わせが狂いやすいことなどの欠点がある。光が正確に垂直に
反射することを利用して、レーザーコリメーションを行ってみた。
光学ベンチの代わりに、望遠鏡は赤道儀に乗せたまま垂直に下向きに設置し強固に固定する。
以下の方法で、それぞれのステップが決定的に重要であるが、注意すれば短焦点反射鏡筒でも再現性良く光軸調整が出来る。
鏡筒を垂直に固定し、レーザー光源(コリメーターなど)を接眼筒から1mくらい離れた位置に設置する。丈夫な三脚か、経緯台に搭載し、
微動装置で上下角度と水平角度が変えられるようにし、さらにXY微動(上下、水平、接写用の微動装置)が出来るようにし、ファインダー用の脚等で
レーザー光源を固定する。レーザー光源の射出口に反射して来るレーザー光検出用に中心に小穴のある厚紙を貼り付ける。
接眼筒に設置したglass plateの中心部にレーザー光源が投射されるように、レーザー光源の位置を調整する、なおかつ、反射光が元の位置に戻るように調整する。
完璧に調整すると、接眼筒と、レーザー光線のalignmentが完了する。
1 接眼筒とレーザー光源の位置調整
2 斜鏡の調整
斜鏡の中心マークにレーザーが当たるように位置を調整する。次いで、主鏡中心にレーザー光が到達するように斜鏡の傾きを調整する。鏡筒位置が変わりないことを確かめ、
接眼筒のガラス板を外す。
3 主鏡の位置調整
レーザーポインター上のレーザー反射光の位置を監視しながら鏡筒が動かないことを確認しつつ、主鏡の押しネジ引きネジを調整して主鏡からの反射光が、
レーザーポインター上のボードの中心に戻るように調整する。
この説明で、話がおかしくなるのは、
1-b 主鏡マークを十字線に合わせても、レーザーで見ると主鏡中心に向きが合っていないことも多い。斜鏡だけでなく、主鏡の傾きで主鏡マークの円がずれて見えるらしい。これでは主鏡マークに合わせる意味が無くなる。このステップを接眼筒に正確にalignしたレーザーで合わせれば間違いなさそう。
2 主鏡を調整すると、アイピースから覗いた主鏡マークの位置が大幅にずれてしまうことである。これは、短焦点鏡で、円形の主鏡マークの径が大きいほど著明になる(センターマークではなく、周辺マークの様な大きな円形マーク)。このようなずれは無視して、あくまでアイピース中心の黒い反射(かなり大きく、あいまいである)が十字線の中心にあう事に専念して合わせて行くと、主鏡マークの周辺像も次第に同心円になって行く。
何回やっても光軸が合わない理由は悩ましいが、目標を誤らなければ、この方法で光軸合わせが意外に簡単に出来る。
トレーシングペーパーはガラスの裏面に貼ってある。
アダプターリングとドローチューブの平行はレーザーで確認した。