川魚の形の異常
 

         川魚を仔魚のうちに採取し発育を見ると、水系の由来によっては見かけ上、
          形の異常が高率に発生します。これがいかなる原因なのかわかりません。
         多くの種類が絶滅、減少したという背景を考えると、水質の問題で
         あるのかもしれません。山間の稲作地帯の河川の魚は激減しており、
         農薬が関係しているのかもしれません。図のような、異常があるとすると、
         有害、無害、環境基準というものも考え直す必要があるのでしょう。フィールド での
         観察結果は明らかに、ある地域での減少、激減を示しているのです。背景の原因と
         生物に与える影響を、無視していると、いつかは人にもこのような、異変が、
         襲いかかってくるということをなぜか忘れています。地上の未来を想像することが
         できるでしょうか。
          下記の異常は:姿勢の異常、顎の下の瘤と下顎の変形、鰓のめくれあがり。
       魚の姿勢の制御は、主に小脳と、内耳で行われていることは、他の動物と変わりあ
りません。これらの、異常のある魚を見かけることがあります。飼育された他の場所で
採取された群では奇形を全く生じないものもあります。

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外に耳はないが、中には立派な耳がある魚

魚類生理学の基礎  会田勝美編 2002 より 図を複写 ↓ 3つの嚢にある耳石と接している平衡班の知覚神経で位置を検知している(前庭器官)。感音受容体も球形嚢にある有毛細胞である。50−3000Hzの音を感知している。内耳からは内耳神経を介し延髄の神経核に情報は伝達される。魚の体と、水の中は同じように音が伝わり、いわゆる耳はない。耳ができ、鼓膜があるのは両生類からか。起源を見たいものです。大きな耳介が出来るのは、哺乳類からである。魚が中間の化石動物を経て両生類、爬虫類と変化するにつれて、空中の音をとらえるため、鼓膜から内耳に音を伝えるものが必要になる。それが耳小骨で、初めは鐙骨しかなかった。鐙骨は化石の証拠から、魚の顎の骨の奥にある大きな棒状の顎舌軟骨が次第に小さくなって聴覚の伝達に使われたものだった(第一鰓弓由来。残りの2つの耳小骨(鼓膜側から槌骨、ついで砧骨)は爬虫類の顎の骨に由来して哺乳類の中耳に収まることが化石から明らかにされてきた(第二鰓弓ゆらい)。



魚がまっすぐに姿勢をただしているのはこれらの働きである。高速で移動しても基本的な姿勢は崩れない。

"ヒトの能力のすべてが、太古の魚類やその他の動物で進化した基本的な構成要素から生じた。・・・私たちは他の生物から切り離されたものではなく、私たちの骨や遺伝子に至るまで、生物の世界の一部なのである。"(引用、ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト ニール・シュービン 垂水雄二訳 早川書房 2008)











                                   

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