福島第一原発からの放射性物質の拡散を目で見る

 フィルムを使ったオートラジオグラフィー

Autoradiographic Detction of nuclear fallout from Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Sampling date: 2011 Dec.


@ 池のイモリ

Fig2 池のヘドロのオートラジオグラム、放射性の黒点を見つけるのは難しい I failed to detect radioactive spot on this oridinary photographic supersensitive film.
Fig 4


Fig 4a福島県郡山市駐車場傍の根についた泥,
2011, Dec. 21, Soil in a Parking Lot in Kohriyama-Station, Kohoriyama-City,57.1Km form the Power Plant


Fig 4b 左のオートラジオグラム Autoradiogram on the left sample.
Fig 3


Fig 3 a 福島県伊達市高子で採集の根と土壌 2011, Dec. 21, Soil and plant root in Takako, Date-City, Fukushima Prefecture, 61.9Km from the Nuclear Power Plant.


Fig 3b 左のオートラジオグラム、Autoradiogram on the left sample.
Fig 8


Fig 8a 茨城県水戸にて採取された根と泥 2011 Dec 22,Soil and plant root in Mito-City, Ibaraki-Pref. 126.6Km from the Nuclear Powar Plant.


Fig 8b 一見ゴミの様、しかし別フィルムで再検済み Autoradiogram on left sample, the same result was obtained on another film.
Fig 7


Fig 7a 千葉県柏の植物根と泥 2011 Dec 22,
Soil and Plant root, Kashiwa-City,
Chiba Pref. 197Km from the Nuclear Power Plant.


Fig 7b 左のオートラジオグラム
微細な感光あり,アルミ箔を透過する Autoradiogram on the left sample, which covered with thin aluminum foil..
Fig 6


Fig 6a 落ち葉のサンプル(福島県二本松) 2011, Dec. 21, fallen lieves in Kasumi-Casle in Nihonmatsu-City, Fukushima Pref. 60.0Km from the Nuclear Power Plant


Fig 6b 落ち葉のオートラジオグラム(画像処理)
Autoradiogram on the left sample.


Fig 6c 重ね画像 Autoradiogram was superimposed on the sample picture (far left picture)
Fig 9


Fig 9 a 東京都三鷹市
苔と泥 soil an moss in Inokashira-Park, Mitaka-City, Tokyo (2011, Nov.) 232Km from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant.


Fig 9b 1つだけ感光あり
Autoradiogram on the left sample.


Fig 9c 再露出でも同じ場所、アルミ箔を透過する
Autoradigram under aluminum foil
Fig 5


Fig 5a 福島県いわき市にて採取 泥、コケ
2011, Dec. 21,
Soil and moss in Taira Iwaki-City, Fukushima Pref. 42.1Km from the Nuclear Powaer Plant.


Fig 5b 左のオートラジオグラム
Autoradiogram on the left sample

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 2011年3月の福島原発の炉心の爆発で日本列島他地球的規模で広範に放射性物質が拡散した。その影響は山口にも及んでいると航空機でのガンマ線の計測で示された。上空からのモニタリングで計測できるガンマ線なら、地上で容易に検出できるが、バックグランドの放射線との識別は難しい。しかし、オートラジオグラフでは試料とフィルムまたはシンチレーター(増感紙)を介して放射線による感光または発光を検出する。強い感光では同じ場所からの重複する放射線を検出しているので、背景放射能との識別が出来ていることになる。

 オートラジオグラフはどのような場所にどのような形で放射性物質が存在しているかを、素人でも目で見て了解可能と云う点が利点である。いろんな単位で云っても素人には直ちに了解することは難しい。ガンマ線だけでなくストロンチウムなどのベータ線でも感光することも利点である。イメージプレートなど高価な設備でなくても、白黒フィルムだけでも簡単に検査できる点もよい。以下に表示した台紙(4x5in)にセットしたサンプルにフィルムはKodak 320TXP 4x5inを重ね密着させ、−30℃で1週間冷蔵した。TMAX RS現像液で20℃で指示通り現像。詳細にリンク Autography with Kodak 320TXP 4x5In at -30℃、for a week.

 繰り返して雨水の流れ込む山口の某小池のヘドロを集めて乾燥させてオートラジオグラムを取ったのが@である。通常のゴミの付着以上の黒点をフィルム上に認めた。しかし、これは殆どゴミに近く、何であるかはこれ以上探索は出来なかった。小池にはイモリが住んでいた。

 福島原発の爆発から9ヶ月目、空間線量測定(ガンマ線)で安全と云われている人口密集地で普通の生活の場である地域の地面より試料を採取した。福島県二本松市や郡山市、千葉県、茨城県、東京都などで根付き植物を採集し、乾燥させ、オートラジオグラムを撮った。フィルム上にはっきりと黒点が現像されることが明らかになった。頻度は減少するが、関東地方の植物の根からも検出された。

 生物体内に取り込まれた放射性物質は、この写真の様に組織内で放射を続けるのである。放射線が強ければ近傍の細胞を破壊するが、強さの程度に応じて、微小な変化を引き起こし、将来に細胞の遺伝情報の発現に影響を及ぼすことが懸念されている。したがって、体内に取り込まれた放射性物質の数の問題ではないことは予測のつくことである。内部被爆に安全限度は存在しないと言われるゆえんである。

 医療用X線フィルムカセッテを使用するとわずかな感光を検出できるにとどまった。カセッテがアルミ板でできていたためにベータ線に不透過である。また、拡散して像がぼけると考えられる。今回、検出されたフィルムの感光がガンマ線、ベータ線、アルファ線のいずれであるとは断定できなかった。(方法にリンク)オートラジオグラフィーの結果は計測値が微量でも顕微鏡的局所的には強い内部被爆を懸念させる。

 微小な放射線源は希釈してもあくまで検出できるほどのエネルギーをもっている。薄めれば生成物濃度が減少し、何も分からなくなるだろうという、化学反応の常識に反して検出されるのが放射性物質である。薄めれば海洋投棄しても、大気中に放出しても安全であるという考えは通用しない。

 現在の汚染状況はアイソトープ実験室の内部以上の放射線源がまき散らされて汚染された状況である。アイソトープ実験室内部の方が却って低線量で、予測された配置であり安全である。それでも、実験室内では飲食をすることは禁じられている理由は放射性の開放線源が、体内に混入し、内部被爆となることを予防するためである。

 冷却水漏れもあり、放射性物質の投棄は現在も続いている。関東平野でも、植物根のオートラジオグラムを撮ると、頻度は少なくなるが、同様に放射性粒子を検出できる。それが人のからだの中に少しずつ入ると長い間に細胞の遺伝情報はどうなり、疾病の統計にはどのような影響があるか。

(改定:2012/02/11) 方法を追加、Firefoxでの表示不都合を訂正。三鷹のデータを追加、線種に対する考察を変更、2/26データ追加)

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