最近観察した超新星

 エネルギーを検出するということは、見えないものを見るという原理になる。超新星も放射能も  最近見た超新星2個

 リュウ座のNGC6796の超新星は広島の坪井さんが発見したのだが、1億光年のかなたの光という。この銀河に数千億の太陽が詰まってその中に、1つの超新星が輝くとこのように見えると言うから、巨大な光だ。

オリオン座の超新星遺残 ループ状の星雲

HOME

白鳥座 NGC6960 6992 網状星雲 

ふたご座の超新星遺残 クラゲ星雲

 もう1つの超新星は同じころに見えていた獅子座の渦銀河M95(3800万光年の彼方にある)に発見された超新星である。その距離の銀河の中の星は、1つ1つは見ることはできないが、1つだけ強力な光を放つと検出することが出来る。その光が渦巻銀河の中にあるか近くの天の川の星の距離にあるかどうかは、星のスペクトルの赤方偏位red shiftで分かる。

おうし座 M1 かに星雲

ヒトの目の解像度は二点識別能力として言うと角度で1分が視力表の視力1.0である。光学機器を使ってもこの角度で網膜に到達しないと2点として解像はできないが、それ以下の角度で見えないはずでも、光を発していれば、光る点としてみることができる。光以外のエネルギーでも検出できれば無限遠でも、極限の微小なものでも、見えるようになる。この極端が遠くの星でもあり、また、放射性の元素から発してくる放射線でもある。エネルギーをその位置の点として検出する。私たちの身の回りの原子レベルの微小な物質でもそれがあるエネルギーを発していると検出できる。

身近な例でいえば、隙間から差し込む太陽光線で、空気中の小さなほこりが見えるのも、点から発する光エネルギーを検出する原理である。

このくらいの距離の物を識別する能力は人間の目にはないが光子(こうし)のエネルギーとしてはこの地球まで到達している。この距離の銀河は焦点距離50cmの小さな望遠鏡で微小な広がりとして普通のデジカメで撮影できる。

超新星の1つのタイプは近くに伴星を伴う白色矮星が収縮と周囲からの物質を寄せ集めて収縮して炭素の核融合を突発、爆発して、光速の何パーセントという速さで広がって行く。膨大な速度で広がっても宇宙の方がはるかに大きく、私たちのみている前で星のガスが広がって行くことはない。別のタイプは2個の白色矮星が融合して同じように炭素の爆発的核核融合を起こす。また別のタイプでは赤色巨星の鉄のコアが収縮を続けて分解、重力崩壊し、中性子星を残す。

これから先を生きている内に目の前で超新星のガスの宇宙空間への広がりは観察はできないが、超新星遺残というガスと、中性子星を他の場所(ただし、近くのわが天の川銀河の中で)で観察できる。

inserted by FC2 system